研究概要 |
平成11年6月にカザフ国セミパラチンスク市カザフスタン放射線医学環境研究所を訪れ、相手側研究者と放射線被曝の実態につき情報を収集した。放射能汚染の点からは、人口集中地域であるセミパラチンスク市の蓄積線量は過去に発表されたものより高いことが明らかとなっているが、セミパラチンスク市の東に位置する州都ウスチカメノゴルスクでも汚染が進んでいると考えられた。ウスチカメノゴルスク市は比較的経済的に安定しており、市内の基幹病院である東カザフスタン州立病院には周辺地区からの患者の紹介が多い。そこで本病院を訪問し、白血病及び骨髄異形成症候群(MDS)について意見を交換した。 平成11年11月、相手側共同研究者Dr.ガリッチを広島に招聘して、セミパラチンスク中央病院と東カザフスタン州立病院で新たに診断された白血病及びMDSについてカルテをレビューし、標本を収集し形態の分類を行った。これらのサンプルについてはp53,N-ras等の癌抑制遺伝子や癌遺伝子についての分子生物学的解析を予定している。 平成12年1月共同研究者であるズマジーロフ原医研客員教授はセミパラチンスク現地で情報交換と資料の収集を行った。
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