研究課題/領域番号 |
10044295
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
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研究分担者 |
HEUVEL Vande University Hospital Nijmegen Oediatric I, Research A
SMEETS Domin University Hospital Nijmegen Human Genet, Associate
WEEMACS Corr University Hospital Nijmegen Oediatric I, Associate
田内 広 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (70216597)
松浦 信也 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (90274133)
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キーワード | ナイミーヘン染色体不安定症候群 / NBSI / Xrs2 / ア-Tバリアント / 二重鎖切断 / 放射線感受性 / YAC / ポジショナルクローニング |
研究概要 |
我々はオランダの近親婚家系を使ったホモ接合体マッピングにより、D8Sl697からD8Sl699迄が原因遺伝子の候補領域であることを明らかにした。更に、各国のNBS患者、-オランダ、ポーランド、ドイツ、チェコスロバキア、カナダ、アメリカ-のこの領域DNAのハプロタイプを調べたところ、特定領域のハプロタイプがこれらの患者で同一であることがわかった。創始者効果と呼ばれるこの現象では、保存された領域に原因遺伝子が存在することになる。続いて、この領域のYAC(人工酵母染色体)移入による機能的相補性とゲノムシークエンスにより未知の2遺伝子の存在を確認した。この内1つの遺伝子内での変異をNBS細胞を用いてスクリーニングした結果、塩基657-661に5-bp欠失のフレームシフトを伴う塩基変異が認められた。この塩基変異は患者家系の発症と非常に良く一致していた。すなわち、患者では5-bp欠失が、正常兄弟では正常塩基か片方のアレルにのみ(ヘテロ)変異が認められた。5-bp欠失はNBS患者の80%以上にみられる創始者変異であった。この他に現在迄NBS1遺伝子変異はエクソン6-10に変異が集中しているのが明らかとなった。NBS1遺伝子はゲノム50-kbにわたる16エクソンから構成され、ORF2.265-bpで754アミノ酸のタンパク質をコードしている。NBS1遺伝子は精巣で強く発現していることから減数分裂での機能が示唆される。実際、NBS1蛋白のN末側に出芽酵母(S.Cerevisiae)の減数分裂に関与するXrs2p蛋白との弱い相同性(29%)が認められた。
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