研究課題/領域番号 |
10044295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
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研究分担者 |
田内 広 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (70216597)
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (90274133)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | NBS / AT / NBS1 / ATM / 電離放射線 / dsb / 家系分析 / AT-Fresno |
研究概要 |
ナイミーヘン染色体不安定症候群の遺伝子解析ならびに遺伝子欠損による細胞の性質について総合的検討を行った。 1)NBS細胞の放射線照射後のp53Ser15の抗体を用いてリン酸化能を測定した。この結果、正常細胞では放射線照射後1時間からリン酸化が進行するが、AT細胞及びNBS細胞では1時間後のこのリン酸化がみられなかった。また、正常細胞ではGST-p53は放射線照射した正常細胞からの抽出液で30分後及び1時間に顕著にリン酸化されるが、ATMが欠損したAT及びNBS細胞ではこのリン酸化がみられないことが明らかになった。 2)放射線照射によるp53の細胞内誘導はアポトーシスの原因となることが知られている。そこでNBS細胞の放射線照射後の早期アポトーシスを正常細胞及びAT細胞で比較した。この結果、NBS細胞はAT細胞と同様に照射後のアポトーシスが低下していることが明らかになった。 3)本研究では毛細血管拡張性運動失調症の発症機構に関与する複数の遺伝子クローニングが予想されることから、ゲルソフト法によるこれら遺伝子産物の生体内協調作用、ならびに遺伝子導入後の放射線感受性や染色体不安定性、免疫組換え能などの個々のアッセイによりそれぞれの発現経路における役割を明確にする。これに基づいてナイミーヘン染色体不安定症候群ならびに毛細血管拡張性運動失調症の放射線感受性モデルを構築した。 4)当該原因遺伝子の近接マーカーを利用した第2子以降の出生前診断を行う。胎児からの羊水細胞や絨毛DNAのハプロイド分析により、両親の原因遺伝子の存在するハプロイドを胎児が受け継いでいるか否かにより判定する。同様に、クローニング遺伝子からの抗体法やSSCP法により両親の変異遺伝子を受け継いでいるかどうかにより罹患患者および健常者、ハプロイド保因者を判定した。
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