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2000 年度 実績報告書

中枢循環血圧調節機構の統合的解析

研究課題

研究課題/領域番号 10044301
研究機関九州大学

研究代表者

赤池 紀生  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30040182)

研究分担者 賀数 康弘  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70325520)
鍋倉 淳一  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50237583)
キーワードシナプス / シナプス前神経終末 / シナプス・プートン / 弧束核ニューロン / グルタミン酸 / non-NMDA受容体 / ATP受容体 / 相互作用
研究概要

延髄孤束核(NTS)において,染色された上行性大動脈弓由来降圧神経(ADN)は孤束を介してmedial NTSの樹状突起と細胞体に投射していた.ADNからの入力を受ける細胞は,ADNから単シナプス性入力を受けない細胞よりもカイニン酸応答が約2倍に増強していた.また,ADNからの神経伝達物質はグルタミン酸であり,後シナプスNTS細胞におけるグルタミン酸受容体はnon-NMDA受容体であった.また,後根神経節などの感覚器受容細胞にはVR-1(パニロイド配糖体)受容体が高密度に発現しているが,ADN神経終末にもVR-1受容体が存在しグルタミン酸放出が増強することが明らかとなった.しかしVR-1受容体のアゴニストのカブサイシン頻回投与ではむしろグルタミン酸放出量が減少したことから,後シナプスNTSニューロン上のnon-NMDA受容体が脱感作するか,もしくはグルタミン酸放出が枯渇する可能性が考えられた.さらに,VR-1受容体が高密度に発現している部位にはATP受容体の一つであるP2X3受容体が共存していることが1997年にCaterinaらによってNature誌に報告されており,medial NTSより得たシナプスプートン標本においても,P2X1,3,2/3受容体アゴニストのαβ-met ATPならびにカプサイシンともに,後シナプス細胞に影響することなくグルタミン酸の放出のみを増強した.以上の結果から,VR-1受容体とP2X受容体はグルタミン酸作動性興奮性神経終末部に共存してグルタミン酸の放出を促進し,その結果NTSニューロンの興奮を惹起して降圧効果を示すことが初めて明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Uchida,S.,Akaike, N & Nabekura,J: "Dopamine activates inward rectifier K+ channel in acutely dissociated rat substantia nigra neurones."Neuropharmacol.. 39. 191-201 (2000)

  • [文献書誌] Noda,M.,Nakanishi,H.,Nabekura, J.& Akaike,N.: "AMPA-preferring subtypes of glutamate receptor in rat cerebral microglia."J.Nurosci.. 20(1). 251-258 (2000)

  • [文献書誌] Rhee,J.S.,Wang,Z.M.,Inoue,K.& Akaike, N.: "ATP facilates spontaneous glycinergic IPSC frequency at dissociated dorsal horn interneurone synapses."J.Physiol.(London). 524. 471-483 (2000)

  • [文献書誌] Kakazu.Y.,Uchida,S.,Nakagawa,T.,Akaike,N.& Nabekura,J.: "Reversibility and cation selectivity of the K+-Cl-cotransportin rat antraineurons."J.Neurophysiol.. 84. 281-288 (2000)

  • [文献書誌] Kishimoto,K.,Koyama,S.& Akaike,N.: "Presynaptic modulation of synaptic γ-aminobutyric acid transmission by tandospirone in rat basolateria amygdala"European J.Pharmacol.. 407. 257-265 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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