研究課題/領域番号 |
10044310
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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研究分担者 |
WILLIAM Campbel 福祉村病院, 長寿医学研究所, 主任研究員
岡田 則子 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (20160682)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 蛋白質 / 一次構造 / アンチセンスペプチド / アンチセンスホモロジーボックス / HIV-1 / T20 / gp160 / 電磁気共鳴解析 |
研究概要 |
蛋白質の一次構造中に、相互にアンチセンスペプチドになっている部分が集積して散剤することを発見し、これをアンチセンスホモロジーボックス(AHB)と命名した。このAHBは蛋白質の高次構造維持に重要な役割を果たしていると考えられ、この部分のペプチドを作用させると蛋白質分子の機能を阻害したり、場合によっては高めたりすることを知った。そこで、この手法を活用し、HIV-1の感染阻害の標的となる逆転写酵素、HIVプロテアーゼ、インテグリン、CCR5、gp41、gp120等の機能を制御する抗HIVペプチド剤の開発を目指した。 逆転写酵素については、共同研究者のL.Kleiman博士の変異体実験により、分子機能にとって重要な部位と特定された部分のアミノ酸配列に対し、アンチセンスペプチド(ASP)を設計合成した。対応するアミノ酸同士が相互にアンチセンスアミノ酸となる組み合わせは多くの場合数種類あるが、これらのアミノ酸を取りかえながら、ベストフィットのものを自動的に探索するコンピュータプログラムを作成して設計した(ジェネティックアルゴリズム法)。その結果、強い抑制作用を持つASPを3種類得た。そのASPを細胞内で発現させるためのプラスミッドも設計合成した。 一方、gp41の部分ペプチドであるT20がHIV感染を協力に抑制する作用のあることが報告された。そこでT20部分に対してASPとなっている部分をgp160のアミノ酸配列の中から検索し、9種の部分配列を得た。それらのASPを合成して作用させたところTA-L1と命名したペプチドがHIV-1感染を10μg/mlの濃度で抑制することができた。 オーストラリアのCosic博士の電磁気共鳴解析法によりgp41のT20部分を解析したところ特有なシグナルが認められたので、そのシグナルに対応するペプチドの合成も検討中である。
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