研究分担者 |
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 教授 (20213142)
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00305525)
CESARIO V. Borlongan 国立保健研究機構, 研究員
MORIKAWA Shigehiro Associate Professor, Molecular Neurobiology Research Center, Shiga University of Medical Science (60220042)
BORLONGAN Cesario v. Visiting Associate, Cellular Neurophysiology Section, national Institute on Drug Abuse
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研究概要 |
ラットにミトコンドリア呼吸鎖toxin(3-nitroptopionic acid,3-NPA)を投与すると外側部の線条体が特異的に傷害される。本研究では3-NPAの急性投与および慢性投与によりハンチントン病モデル動物を作製し、線条体特異脆弱性のメカニズムとその防御法について研究した。その結果、 1.3-NPAに対する線条体特異脆弱性のメカニズムとは、1)大脳皮質から大量に入ってくるグルタミン酸によるtoxicity、2)黒質から大量に入ってくるドパミンのtoxicity、3)線条体外側部を養う外側線条体動脈の特異性脆弱性(解剖形態学的特異性、機能的特異性)、及び4)BBB破綻後、血管を取り巻くグリアエンドフィートによる3-NPAの取り込みとそれに基づくアストロサイトのネクローシス、その結果おこるニューロン死、が総合されたものであることを明らかにした。 2.ニューロン死の最初期過程をangyrophil III法を用いて解析した。argyrophil陽性のdark neuronは細胞内骨格(mirotubule,neurofilament)の一時的な傷害を反映していること、また大半は回復するが、一部はアポトーシスに陥ることが判った。 3.細胞死のベースにはラジカルの異常産生がある。ラジカルスカベンジャーであるメラトニンはアストロサイトを防御し、ひいてはニューロン死を保護することを見つけた。 4.脳障害動物への神経細胞/神経幹細胞の移植によって機能の再建をえた。
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