研究課題/領域番号 |
10044324
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
西野 武士 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40094312)
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研究分担者 |
岩崎 俊雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (40277497)
岡本 研 日本医科大学, 医学部, 講師 (60267143)
松村 智裕 日本医科大学, 医学部, 助手 (20297930)
西野 朋子 日本医科大学, 医学部, 助手 (80075613)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | X線結晶解析 / キサンチン脱水素酵素 / キサンチン酸化酵素 / フラビン酵素 / 非ヘム鉄 / モリブデン酵素 / 活性酸素 / スーパーオキシド |
研究概要 |
すでに作成してあるキサンチン酸化酵素に引き続き、脱水素酵素型の精製法を改良し結晶化に成功した。結晶は放射光施設にて最高分解能1.7Åの解析が得られた。その結晶の良質さ故に、キサンチン酸化酵素では解けなかった立体構造が2.1Åまでのデータセットを基にMAD法、フラビンのない非ヘムモリブデン酵素であるアルデヒド酸化還元酵素立体構造を用いたMR法を併用して構造が解かれた(論文発表済み)。 補欠分子族であるモリブデン、二つの非ヘム鉄およびフラビンは一列に並び、それぞれの距離は14、12.5、7.8Åであった。脱水素酵素型の立体構造を基にキサンチン酸化酵素の立体構造もMR法により2.5Å分解能で解かれた。フラビン周囲の構造はNADが近付き難い構造が酸化酵素では見られ、今までの推測を裏付けた。さらに二つの酵素型でセミキノンの安定性を説明できる周囲環境静電的な差異が見られた。またcDNA発現系を用いて、脱水素酵素型から酸化酵素型への変換に関与するSH基の解析同定を行った。また二つの非ヘム鉄についてEPR、酸化還元電位および一次構造モチーフ上それぞれ異なる二つのタイプ(FeS I、FeS II)が知られているが、部位特異的変異法により作成した酵素を用いてそれぞれの同定に成功した。さらにFeS Iに配位しているシステイン毎に変異を与え、鉄に対する影響をEPRおよび酸化還元電位測定により調べた結果、FeS Iの二つの鉄が同一の性質を示さないことが知られた。 この違いは、X線構造上の二つの鉄の位置関係から説明できた。すなわち影響を受けた鉄は距離上もう一方の鉄に比べ、より至近距離にあり電子伝達には二つの鉄の一方のみが関与していることを示唆している。
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