研究課題/領域番号 |
10044325
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
久保 陽徳 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (60097201)
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研究分担者 |
高山 広光 千葉大学, 薬学部, 助教授 (90171561)
相見 則郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (30009170)
齋藤 直樹 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (80142545)
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キーワード | インドール / イソキノリン / アルカロイド / 全合成 / オピオイド / 構造決定 / 海洋天然物 / 抗腫瘍活性 |
研究概要 |
2年間の研究成果を基盤として、マレーシア産Mitragyna speciosa含有アルカロイドの実用的不斉合成経路を開発した。また、微量塩基Mitragynalineの合成研究からその訂正構造を提出した。さらに新規オピオイド作用薬の開発をめざし、各種天然誘導体を合成するとともにスクリーニングを実施することにより経口投与においてモルヒネよりも強力な鎮痛薬を発見した。一方、タイ国シーシャン島沿岸で採集した海綿Xestospongia sp.から得られた新規天然物レニエラマイシンJ,KおよびLの構造を明らかにした。本研究により得られた知見を基盤として最近インドの研究者により報告されたレニエラマイシンHの訂正構造を提出した。さらに、昨年タイ国プーケット島東岸にて採集したホヤEcteinascidia sp.の含有アルカロイドの獲得を目指して抽出・分離を実施した。その結果、含有天然物が不安定であることが判明したため、海洋生物を予め弱酸性でKCN処理する改良法を考案することによりEt770およびEt786を(海洋天然物としては)比較的良好な量で得ることに成功するとともに、各種NMRスペクトルデータを中心とした詳細な解析からそれらの構造を明らかにした。なお、Et770は、現在欧米においてphaseII臨床試験が実施されているEt743の安定誘導体であり、硝酸銀処理にて容易にEt743に変換可能である。現在、制がん作用を中心とした各種生物活性試験を実施している。また、Et類の全合成研究を展開し全合成鍵中間体の合成に成功した。さらに、イソキノリンアルカロイドancistrotectorineの部分合成研究の実施によりある種の誘導体が消化管収縮作用を強力に阻害することを見いだした。
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