研究課題/領域番号 |
10044328
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
米田 幸雄 摂南大学, 薬学部, 教授 (50094454)
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研究分担者 |
マレス パベル チェコ科学アカデミー, 生理学研究所, 所長
スタッスニー フランティ チェコ科学アカデミー, 生理学研究所, 助教授
ルカッセンス マックス モンペリエ大学, 理学部, 教授
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 講師 (90169219)
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キーワード | NMDA / 〔^3H〕MK-801結合 / 二価鉄イオン / キノリン酸 / 鉄キレーター / シナプス膜 |
研究概要 |
神経,細胞死の出現メカニズムとして、グルタメイト(Glu)をはじめとする脳内興奮性アミノ酸の関与が近年注目されている。Gluは、興奮性情報伝達物質として脳内のシナプス伝達に貢献する以外に、神経細胞の選択的破壊を引き起こす内因性エキサイトトキシンとしての役割を併せ持つ。つまり、脳血管障害やアルツハイマー病、あるいは低血糖や脳外傷時などに観察される特徴的神経細胞死の発症メカニズムと密接に関連する。さらに、けいれん発作やてんかん症状の出現、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、脊髄小脳変性症および脳性麻痺など、神経細胞変性疾患の出現にGluのエキサイトトキシンとしての作用が関与する可能性は高い。したがって、今年度は細胞外Gluシグナル入力に必要なGluレセプターの中でも、特にN-methyl-D-aspartate(NMDA)に感受性の高いサブタイプについて、シグナル受容メカニズムの詳細な解析を行った。ラット脳から調製したシナプス膜標品への[^3H]MK-801結合は、NMDAチャネルの生化学的指標としての特性を示したが、膜標品を予め低濃度の二価鉄イオンで処理すると、鉄イオン濃度上昇に比例して著明な[^3H]MK-801結合阻害が観察された。しかしながら、三価鉄イオンをはじめ他の鉄含有化合物にはこのような強い結合阻害作用は認められなかった。内因性エキサイトトキシンの一つであるキノリン酸を添加すると、この二価鉄イオンの結合阻害作用は消失した。以上のように、キノリン酸はアゴニストとしての作用の他に、鉄イオンキレーターとしてもNMDAチャネルの開口を調節する可能性が示唆される。
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