研究課題/領域番号 |
10044328
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 金沢大学 (1999-2000) 摂南大学 (1998) |
研究代表者 |
米田 幸雄 金沢大学, 薬学部, 教授 (50094454)
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研究分担者 |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 講師 (90169219)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 神経細胞死 / 神経毒 / NMDAレセプター / カイニン酸レセプター / 転写制御因子 / CA1野、CA3野錐体細胞 / 歯状回顆粒細胞 / c-Fos蛋白質 |
研究概要 |
エキサイトトキシン類の神経毒性は、細胞膜上グルタミン酸レセプターを介して出現するが、3種類のイオノトロピック型サブタイプの中で、特にNMDA型とKA型サブタイプが神経細胞変性に強く関与する。本研究では、エキサイトトキシンによる神経毒性出現メカニズムに、特定機能蛋白質の「denovo」生合成が関与するとの仮説をうち立て、脳内における遺伝子転写調節に着目した。転写制御因子は、細胞核内で遺伝子DNAからmRNAへの転写を制御する核内蛋白質である。マウスにNMDAを全身的に適用すると、選択的にactivator protein-1(AP1)のDNA結合能上昇が、特に海馬の歯状回顆粒細胞層において強く認められたが、CA1野およびCA3野錐体細胞ではこのような増強は見られなかった。同様の解析を、KA全身適用マウスについても行った結果、歯状回顆粒細胞層だけでなく、CA1野およびCA3野錐体細胞層においても著明なAP1結合上昇が見出された。次いで、神経細胞層を含まない周辺領域についても検索を進めたところ、KA投与は各神経細胞層のみならず、周辺領域のAP1結合も著明に増強するのに対して、NMDA投与は周辺領域AP1結合には著変を与えないことが明らかとなった。KA投与後の海馬切片をニッスル染色により検討すると、NMDA投与2ヵ月後までいずれの神経層においても、海馬内神経細胞に著変は見出せなかったが、KA投与後3日以内には錐体細胞層において著しい神経細胞の脱落が誘発された。KA投与後2週間目には、CA1野およびCA3野錐体細胞は完全に脱落したが、歯状回顆粒細胞層には神経細胞脱落は見出せなかった。以上のように、本研究によりNMDAシグナルは一過性AP1結合上昇を、海馬歯状回顆粒細胞においてのみ招来するのに対して、KAシグナルは神経細胞層とは関係なく、海馬領域の広範囲に渡る持続的なAP1結合上昇を誘発することが明らかとなった。
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