研究課題/領域番号 |
10045001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
昼田 源四郎 福島大学, 教育学部, 教授 (40282248)
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研究分担者 |
佐久間 康之 福島大学, 教育学部, 助教授 (90282293)
初澤 敏生 福島大学, 教育学部, 助教授 (10211476)
中野 明徳 福島大学, 教育学部, 教授 (20119605)
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キーワード | 子どもの問題行動 / 日米比較 / 暴力 / 薬物乱用 / 障害児の早期療育 / 学校臨床 / スクールカウンセラー / 不登校 |
研究概要 |
1.公刊されている各種統計資料にもとづき、日-米、福島-テネシーでの学校現場で問題になっている子どもの問題行動について比較検討した。小・中・高をとおし日本・福島で問題となっているのはイジメ、不登校、怠学(中退)か中心で、対教師暴力や薬物乱用(有機溶剤や覚醒剤)は件数的には多くはない。一方、米国・テネシーでは、暴力や薬物乱用(マリファナやコカイン)が教育現場での大きな問題で、銃や麻薬の校内持込を厳しく規制しており、警察官が校内に常駐している学校もある。問題行動の種類や発生頻度、その背景には大きな差があるが、地域や家庭の教育力の低下や価値規範の変容など、共通の要因も少なくない。 2.平成13年度には、福島県、テネシー州の中学生、その父母、教師を対象とした問題行動への認識や傾性の調査をふくむアンケートを実施する子定でいる。その準備のため相互に代表団を送って協議したほか、調査対象の選択や集計法を検討し、アンケート用紙の日本版と英語版の作成をおこなった。また、日米ともに研究への協力要請のため、教育委員会にも訪問した。 3.平成11年12月、ミドルテネシー州立大学から共同研究者を招聘した折に、本研究に関連して「アメリカにおける生徒の問題行動とその対策の現状」と「アメリカにおける学習障害の早期療育」と題する公開講演会をおこなった。とくに、テネシー州の学習障害児センターは大学が運営を委託されているが、全州から送られるLDの疑いのある児童を精査し、個別教育プログラムを添付して地域に返すと、特殊教育の免許をもった教師が地域の小学校で就学前指導のかたちで介入援助をする。その結果、就学後の学習面、行動面の改善に大きな成果をあげているという報告は、多くの人に感銘を与えた。
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