研究課題/領域番号 |
10045005
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古厩 忠夫 新潟大学, 人文学部, 教授 (30018642)
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研究分担者 |
徐 万民 北京大学, 歴史系, 教授
宋 成有 北京大学, 歴史系, 教授
櫛谷 圭司 新潟大学, 工学部, 助教授 (00186389)
井村 哲郎 新潟大学, 人文学部, 教授 (50303095)
芳井 研一 新潟大学, 人文学部, 教授 (90092634)
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キーワード | 環日本海交流 / 日本海貿易 / 越境協力 / 東北アジア / 大連 / 植民地史 |
研究概要 |
本年度は、環日本海貿易の日本海側拠点である新潟と富山について、新潟港、富山新湊港の調査、新潟県立公文書館、県立図書館、新潟市史編纂室、新潟市郷土資料館、富山大学日本海地域研究センターなどで資料収集を行った。また、外務省外交史料館、国会図書館にて資料収集を行った。これらの調査には北京大学共同研究分担者の宋成有、徐万民教授、徐勇助教授を招き共同でおこなった。 これらの調査の結果のとりまとめは来年度以降の課題であるが、対岸と日本との代表的貿易ルートとしては、大連-神戸など太平洋側諸港、釜山-下関、清津、羅津-日本海側諸港の3ルートがあげられ、時期によって変わるものの、貿易額の比率はおよそ7:2:1で、日本海側諸港の比率が極めて低いこと、その原因として朝鮮、日本の環日本海側諸港のヒンターランドの問題が大きいこと、などが明らかになった。この問題の解決のために、特定運賃制度の採用など満鉄の運賃政策や、満洲国の関税政策などによる振興策がとられたが、戦争末期の中国沿岸域における日本の制海権の喪失の時期まで大きく変化することはなかった。これらの状況は今日の環日本海貿易にも共通する問題である。今後、こうした当該地域の産業化の問題も視野にいれていきたい。来年度は大連を中心に対岸の資料調査を行う予定である。 9月5日には上記北京大学3氏とストラスブール大学ロベール・エルゾク教授、同ピエール・エクリー助教授らとともに「国境を超えた地域連帯と国際協力」と題する研究会を行い、ヨーロッパにおける越境協力について学んだ。 共同研究者の今年度の研究成果の一部は本年3月末出版の『環日本海研究年報』第6号に掲載の予定である。
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