研究課題/領域番号 |
10045010
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
鈴村 興太郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00017550)
|
研究分担者 |
蓼沼 宏一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50227112)
山崎 昭 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70143716)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
キーワード | 経済制度 / 社会規範 / 効率と衡平 / 情報的効率性 / 手続き的衡平性 / 確率的トランスファー / 取引きネットワーク |
研究概要 |
このプロジェクトは市場経済の制度的規範と集団的意思形成メカニズムに関する国際的な異質性と類似性を踏まえて、新たな制度的規範の生成と発展のメカニズムおよび社会的選択の理論の新たな基礎付けを目指して構想・執行された。研究の過程では日仏の研究参加者が相互に訪問して、緊密な共同研究を行なうことによって、多くの研究成果を挙げるとともに、今後の一層の研究の素材となるDiscussion Paperを纏めることに成功した。得られた成果の代表例は以下の通りである。 1、伝統的な規範的経済学を特徴付けてきた厚生主義の観点を超克して、非厚生主義的帰結主義、さらには非帰結主義的な規範的経済学の理論的基礎を公理主義的に解明したこと。 2、資産の確率的なトランスファーを含む取り引きネットワークの最適性(競争性)を分析する数理的モデルの構成に成功したこと。 3、伝統的な規範的経済学において解きがたい対立を含むとされてきた効率性と衡平性の2つの要請の間に、辞書的な優先順位を付ける2つの方法--効率性第一原理と衡平性第一原理--を定式化して、それぞれの方法にしたがう社会的選択ルールの特徴を公理主義的に明らかにすることに成功したこと。 4、アローの社会的選択理論における重要な公理である無関連対象からの独立性の公理を徹底的に分析して、不可能性定理と可能性定理との分水嶺を精密に確定することに成功したこと。 これらの研究成果は全て国際的研究雑誌に既刊ないし近刊予定になっている。
|