研究課題
基盤研究(B)
今年度は、本プロジェクト3年目であり、これまでの共同研究を総括する作業をおこなった。平成12年5月31日から6月2日にかけて、京都大学経済研究科から教官一名をソウル大学校経済学部・同経営大学に派遣して、予備的な研究会をひらき、今年度の共同研究の内容と方法について検討・決定した。その方針にもとづき、両大学で総括的な研究を進めた。平成12年12月8・9日に、京都大学から6名の教官をソウル大学校に派遣し、同大学においてソウル大学校の教官約25名と共同研究を総括するセミナーを開催した。共同研究の成果として次のような成果を得た。第1に、日本は1990年から、韓国は1997年から継続して経済が沈滞しているが、この東アジア地域の変動は、非常に広範な範囲に及ぶものであり、全体として両国は過渡期に入ったと把握できるということ。第2に、日本と韓国は、現在金融制度の破綻や大企業のあいつぐ倒産にあらわれているように、危機的な様相をみせているが、これは他面では従来手がつけられていない制度矛盾の根本的な構造改革をおこなえる好機でもある。第3に日本と韓国の経済・経営面において、その歴史的な経緯から従来は相違点のみが強調されてきたが、近年次第に共通点が形成されてきていることが明らかになった。その点から、両国の経済学・経営学の学界にいおいて、その研究成果を交流し、相互に先駆的試みに学びあうことの必要性が確認された。この共同研究の成果は、韓国ソウル大学校出版部から韓国語版が出版されることが決まっており、日本語版についても出版を企画している。
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