研究課題/領域番号 |
10045026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
山崎 秀勝 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80260537)
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研究分担者 |
吉田 次郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (30174931)
長島 秀樹 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10087570)
松山 優治 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00092594)
石丸 隆 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90114371)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 乱流 / 混合 / 生態系 |
研究概要 |
研究の目的は海嶺域における混合過程と基礎生産力の指標であるクロロフィル量との関係を明らかにするためである。 初年度は平成11年に計画した共同調査の基礎資料として、東京水産大学の研究・練習船青鷹丸に乗船し曳航式観測装置アクアシャトルを用いて、大島の周辺海域の調査を行った。その後の一連の調査から、大島による混合現象を引き起こすパターンとして、大島の西水道から暖水舌が進入するケース、東水道から進入するケース及び暖水舌の影響のない潮汐のみよる混合効果のケースが存在することが分かった。それぞれのケースについて、これまでの観測データをもとに特徴的な点をまとめた。 平成11年度は、国際学術共同研究のパートナーであるヴィクトリア大学から2名の研究者を招き、本学研究練習船神鷹丸を用いた共同観測を行った。観測は伊豆諸島及び小笠原海域で行った。観測期間中もっとも黒潮の影響を直接受ける御蔵島と三宅島の周辺を対象海域とした。観測は、アクアシャトル及びADCPを用いた周辺海域の連続調査、さらに乱流観測装置(Turbulence-ocean Microstructure Acquisition Profiler,TurboMAP)を用いた乱流混合の鉛直構造の観測を行った。外洋域で、大型の観測船からTurboMAPを用いることは、はじめてのことで、さまざまな問題点が発生した。とくに、ウインチシステムとケーブルが十分な機能を果たさないため、TurboMAPのケーブルが切れ、危うく紛失する事故が2回発生した。このため、乱流の計測は断念し、アクアシャトルによる表層のみの観測をおこなった。これまでの、データ解析の結果、御蔵島は理想的な孤立した円柱型の島であり、海底地形の複雑な伊豆大島とは、非常に対照的であることが分かった。最終年度には、平成11年度の経験をもとに国際学術共同研究の相手方(ヴィクトリア大学、カナダ)からLueck教授を招き、伊豆諸島海域で本実験を行った。黒潮の流軸はほぼ真西から青ヶ島にあたる状態であった。黒潮が孤立した島に衝突し、その下流域でどのような混合を起こしているのは調べることが本共同研究の目的であったので、理想的な条件であった。しかし、黒潮の位置を調査するのに時間を要してしまったことと連日の悪天候で極めて限られた範囲の観測しかできなかった。今回のデータによれば島に当たった流れは、予想通り下流に渦を起こすことを確認した。しかし、この時発生するシェアーは予想以上に強い乱流混合を引き起こしていることがわかってきた。前年度行った御蔵島周辺海域の観測も、今回の条件に近いため両者を混合状態の比較を今後行っていきたい。これらの結果と、これまで観測を続けてきた大島周辺海域の混合特性と比較を継続しておこなって行きたい。
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