研究課題/領域番号 |
10045032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
高崎 史彦 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70011749)
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研究分担者 |
福永 力 都立大学, 理学部, 助教授 (00189961)
坪山 透 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (80188622)
羽澄 昌史 大阪大学, 理学部, 助手 (20263197)
佐川 宏行 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (80178590)
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キーワード | シリコン検出器 / FADC / KEK / BELLE / ビーム実験 / B中間子 |
研究概要 |
平成11年度は、BELLE検出器のシリコンバーテックス検出器のセンサー部分を組み立て、実験装置に組み込んで実験を開始した。この検出器は予定通りの性能を発揮し、BELLE実験の最初のデータを提供した。ところが残念ながら、放射線によるシリコン検出器の信号増幅回路に損傷が発生し、一度測定装置の交換を余儀なくされた。この交換を実行した以降は順調にデータ収集を行っている。特に、今回、クラコウグループとKEKで共同研究で製作したDSPを利用した高速アナログデジタル変換モジュール(FACD)の回路は、期待通りに稼働し、現在もBELLE実験の重要な部分を構成している。また、現在使用しているFACDシステムの性能をさらに向上し、より高速なデータ収集を可能にすべく、新たな検討をクラカウとKEKで開始した。 一方、3層で多分割されたシリコン検出器板の間の相対位置を正確に求めるために、ソフトウェアーを開発し、平行して、宇宙線及ビーム衝突で生ずる電荷を持った粒子の飛跡を使ってその更正が行われた。現在までに、飛跡を約50ミクロンの精度で決定できるまでに調整が進んでいる。この位置の調整を行い、現在、シリコンバーテックス検出器は、期待された性能通りに稼動し、B中間子の崩壊点を正確に観測し、B中間子崩壊における、CP保存則の破れを近い将来に観測できる見通しを得た。
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