研究課題/領域番号 |
10045033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
麻生 武彦 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (10026255)
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研究分担者 |
岡野 章一 東北大学, 理学研究科, 教授 (10004483)
佐藤 夏雄 国立極地研究所, 情報科学センター, 教授 (50132709)
江尻 全機 国立極地研究所, 資料系, 教授 (30013692)
佐藤 薫 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 助教授 (90251496)
山岸 久雄 国立極地研究所, 超高層物理学第一研究部門, 教授 (20132714)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | EISCATレーダー / 電磁気圏 / 中層大気 / 大気波動 / 北極域 / プラズマライン / オーロラ光学観測 / ヒーティング |
研究概要 |
初年度は、トロムソ大学との共同研究としてEISCATスバルバールレーダー(ESR)による極域中間圏・熱圏下部大気波動の観測と解析により、極域における大気潮汐波の特性、重力波エネルギー散逸や熱圏中性風の変動等について知見を得た。1999年3月にロングイヤービエンにおいてEISCATレーダーとこれに呼応するHFレーダー、トロムソ大学オーロラステーションの光学観測装置、FAST、GEOTAILなどの科学衛星のコンジャンクションと地磁気共役点の南極での観測と同期させた総合観測が実施され、オーロラサブストームイベントについて貴重な同時観測データを取得した。次年度もトロムソ大学との極域中間圏・熱圏大気波動研究を継続し、ESR観測データの共同解析、特に極域一日周期大気潮汐波成分の理論との対応、半日周期成分のマイグレーティング潮汐からの乖離や、高緯度域における重力波のエネルギー消散率等について興味ある結果を得た。さらに前年度のオーロラ総合観測データ解析を共同で行い、プラズマシート/ポーラーキャップ境界域の電磁力学、特に強いアークと沿磁力線電流、電場の対応など、サブストームメカニズム解明につながる知見を得た。また、EISCATや衛星と同期するオーロラのトモグラフィ観測、トロムソ大学オーロラステーションにおけるオーロラスペクトログラフの設置によるオーロラ・夜光分光観測、HFレーダーとESRとの比較解析などが行われ、有用な知見を得た。最終年度は、極域大気潮汐波のクライマトロジー、熱圏下部イオンドラッグに関わる中性大気不安定、中間圏高度のPMSEエコーを利用したSOUSYレーダーの半日周期大気潮汐波観測とEISCATレーダーの比較検討、EISCATレーダーによるPMSE(極域中間圏夏季)エコー観測データ、SOUSYレーダーによる北極域対流圏・下部成層圏の重力波・乱流の実体を調べる解析等がなされた。さらにEISCATヒーティングと人工励起夜光のALIS地上光学観測及びトモグラフィ解析が共同研究者とともに進められ、また電離層トラフやプラズマラインに関する論文も上梓された。スバルバール総合観測データに対する、サブストーム時の高緯度ダブルアーク構造の物理過程の解析も進められた。また、北極ロケット実験に連携したオーロラ観測、HFレーダーとESRの比較解析、フィンランド気象研究所との北極超高層現象と磁気圏モデリングについて共同研究等がそれぞれ行われ、有用な知見を得ることができた。
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