研究課題/領域番号 |
10045035
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
|
研究分担者 |
李 敬鋒 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50241542)
渡辺 龍三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005341)
|
キーワード | バイオセラミックス / 生体活性 / 骨充填材 / 単分散粒子 / 球形粒子 / 造粒 / 焼結 / スラリー |
研究概要 |
本研究は、生体活性バイオセラミックセメント(骨充材)を対象として、骨充填材中の骨伝導粒子として用いるための単分散バイオセラミックス球形焼結粉の作製プロセスを試作する。また、骨伝導粒子の充填率、均質化、自然骨置換率の向上など骨充填材の注入特性の最適化を検討する。 昨年の研究成果からβ-TCPスラリーの分散安定性の向上のためには、粉末粒径を1μm程度以下にする必要があることがわかり、β-TCP原料粉末をボールミルにより長時間粉砕して、平均粒径を約1μmにした粉末を用いてスラリー調製した。凍結乾燥POEM法によりβ-TCP球形単分散粒子を作製した。その、β-TCP球形単分散粒子を使用してβ-TCP/PA系セメントを作製した。また、比較のために不規則形状粒子および原料粉末を直接用いたセメントも作製し諸特性を評価した。 PA3mol/lの水溶液にSO^<2->_4イオン濃度0.15mol/l、P_2O^<4-1>_7イオン濃度0.005mol/lを複合添加すると、臨床応用に最適と言われている硬化時間5分〜10分となった。硬化後の生成物質はDCPD、残留β-TCPおよび複合生成物のDCPであった。β-TCP球形単分散粒子を用いたセメントの機械的強度が最も優れていることを明らかにした。さらに、造粒粒子が最も優れていることを明らかにした。さらに、造粒粒子の密度が高い方が高強度となり、高強度化のメカニズムはβ-TCP球形単分散粒子そのものが破壊するのではなく粒子とDCPD界面で破壊する、いわゆるクラックデフレクション効果によることを明らかにした。
|