研究分担者 |
BURKINSHAW S リーズ大学, 色素化学科, 助教授
LEWIS D.M リーズ大学, 色素化学科, 教授
佐藤 哲也 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (20252546)
三木 定雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30135537)
梶原 莞爾 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10133133)
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研究概要 |
染色工業からの環境への負荷を低減させるために,染色工程における染料利用率のさらなる向上をはかり,利用されずに環境へ排出される染料の量を極力おさえるための基本的となる概念について考察した。また同時に,水を使った染色や加工が環境へ悪影響を与えている主要な要因と位置づけ,非水系での染色や加工法についても考察した。 この考察から得られた環境低負荷型染色に対する考え方を基盤に,セルロース系およびナイロン系繊維について,それぞれの繊維基質を化学的に修飾することによって,染料との親和性を高める試みを行った。たとえば,紫外線照射法を用いることにより,水を使用することなくセルロース系繊維を化学的に改質する方法について提案した。さらに,この方法は染料との親和性も向上させることを見出し,結果的に使用する水の量を軽減できる可能性があることもわかった。今後は,その方法について最適条件等の研究やメカニズムを解析する研究を行っていく必要がある。 また,これとは別に,染料合成の立場から,金属を含まないナイロン用染料の開発や新規な反応性染料の分子設計についても考察し,実際にセルロース系およびナイロン系繊維に適用できる染料の開発を行い,その染料の染色性について検討した。 またさらに,実際に上記の方法によって染色された繊維の色彩と堅牢性が実用的に十分価値があるかどうかを検討するためには,それらの評価について客観的に評価する方法を確立する必要があると考え,染色のための表色系をどのように開発し色彩や堅牢度評価へ応用するべきかについても検討した。
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