研究概要 |
KrFレーザやYAGレーザを用いるアブレーション法による材料プロセス装置開発、レーザ生成プラズマの動的振る舞い解明、及び薄膜とナノ微粒子堆積について研究した。レーザアブレーション法にプラズマイオンインプンテーション法を併用したプロセスの開発によりTiNやCNxの堆積でチッソ成分の含有率を増やすことができた。また、ナノ科学技術への新しいシステムとして放電を重畳したマイクロ放電支援レーザアブレーション法を試み、ナノ構造の直接堆積や新ナノプロセスとしての可能性を調べた。レーザ蛍光法や分光学的方法を高度に機能化することにより、カーボン・レーザアブレーション生成プラズマの分解種C,C_2,C_3の空間的振舞を解明し、ダイヤモンド状膜特性との関連性を明らかにし、ラジカル種の効果がかなりの程度明らかとなった。さらにレーザ蛍光法を用いて、チッ化物作製で生ずるNOラジカルの観測法も確立した。 高品位薄膜、これらのヘテロ構造、ナノ構造体作製としてはLSMO,SBT,ZnO,WO_3を詳しく研究し、従来のYBCO,PZT,DLC,CN_x,TiNなどとの多属化、複合化を行った。特に、磁気抵抗体LSMOは、LSMO/MgO構造で磁気抵抗率8%(0.4T時)を実現でき、非接触磁気センサとして十分に利用できる程高感度である。カーボン系薄膜として、DLCは2.0eVの広い光学ギャップを有する膜が常温で成膜でき、また、CN_x膜はNOガス利用、負バイアス印加などにより、N/C比1.0を到達した。更に、ZnO膜の堆積を行い、紫外線照射に伴うレーザ作用を確認した。2名の研究者がNorth Carolina州立大学に滞在して、共同研究を行い、得られた研究成果の詳細な検討、実用化デバイスへの展開、国際学会開催などの討議を行った。2001年度以降はレーザアブレーション法を「ナノ科学技術材料プロセス」を指向した最適システムとして開発し、光デバイス、環境センサ、DNA操作ツールとして研究展開することになっている。
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