研究課題/領域番号 |
10045052
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
谷本 敏夫 湘南工科大学, 工学部, 教授 (90179854)
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研究分担者 |
KARGERーKOCSI J. Kaiserslautem大学, 教授
HAUPERT F. Kaiserslautem大学, 研究助手
FRIEDRICH K Kaiserslautem大学, 教授
森井 亨 湘南工科大学, 工学部, 講師 (50230090)
幾田 信生 湘南工科大学, 工学部, 助教授 (30277941)
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キーワード | 繊維強化複合材料 / 機能性材料 / 界面 / 表面処理 / マイクロメカニクス / モフォロジ / 磨耗 / 振動 |
研究概要 |
繊維表面処理の異なる平織ガラスクロス/エポキシ複合材料に関する疲労試験を実施し、疲労強度に及ぼす表面処理の影響について検討した。用いた表面処理はエポキシ樹脂との反応性の高いアミノシラン処理および反応性の低いアクリルシラン処理の2種類である。これらの材料について引張、圧縮および両振疲労試験を行った。その結果、すべての負荷様式についてアミノシラン処理を施した複合材が高い疲労強度を示したが、中でも圧縮疲労強度はアクリルシラン処理に比べ著しく高い疲労強度を示しており、繊維表面処理により負荷様式によってその挙動は異なることが明らかとなった。 また手織ガラスクロスを強化材とした複合材料の成形時の樹脂含浸性と繊維表面処理の影響について検討した。ここでは、マトリックスに不飽和ポリエステル樹脂を用い、繊維表面処理にはメタクリルシランを用いた。ここで表面処理の影響を検討するため、シラン処理濃度の異なるガラスクロスを強化材として用い、トランスファー成形における樹脂含浸性ならびにその成形品の力学的特性を検討した。その結果、シラン処理濃度が低くても処理を施すことによりガラスクロスへの樹脂含浸性は良好となるものの、力学的特性は含浸性の改善とともに向上するのではなく、力学的特性が向上する処理濃度は樹脂含浸性に比べてはるかに高い処理濃度であることが明らかとなった。 さらに繊維表面処理の有無によって異なる繊維/樹脂界面でのはく離の発が繊維周囲の応力分布に与える影響について、有限要素解析を用いて検討した。その際、解析には単繊維モデルを用い、繊維周囲に発生するはく離の位置、拡がり、厚さの影響を検討した。その結果、繊維周囲の応力分布にははく離の厚さはほとんど影響せず、その拡がりおよび厚さが著しく影響することが明らかとなった。 以上は、複合材料特性に与える繊維/樹脂界面の影響について検討したが、これらに加えて積層材における積層界面の破壊を抑制することによる力学的特性の改善を試みた。これは積層界面にインターリーフ・フィルムを挿入する方法と積層界面に微小粒子を分散させる方法の2種類について検討した。その結果、どちらの場合にも挿入する層間を適性に選択することにより、静的強度・動的強度とも改善することが可能であることが明らかとなった。
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