研究概要 |
1. はじめに: 1986年ステンレス鋼のイオン窒化処理の研究から発見されたM_4N型窒化物は高耐食と高硬度の性質を持つことから国際的に研究されるようになった。本研究は関西大学の協定大学であるイギリスのバーミンガム大学と大学間国際学術研究として行ったもので、これまでの研究成果ならびに最新の研究情報を収集。また、関西大学においてS相の国際セミナーを開催してその成果を広く公表することにより、21世紀の材料発展に資することを期待した 2.S相に関する研究調査: S相は主にステンレス鋼をイオン窒化したときに生成することから、文献調査はMetals Abstractsの「ionnitriding」と「austenitic stainless steel」をキーワードに1977.1〜2000.12を調査。また、関連の国際会議(PSE'98,AEPSE'98,ISPC'99,PSE'00)に参加し研究情報を収集した。上記関連論文の調査結果は157件(英文のみ)で、下記SS2000のProceedings(The Institute of Materialsから出版)に資料として投稿した。 3.S相に関する研究: 下記の研究結果をSS2000に発表し、それぞれの論文をSS200のProceedingsに投稿した。 1) Effect of Mechanical Pre-Treatment on the Formation of S-Phase in Plasma Nitrided 304 Austenitic Stainless Steel. 2) "AS" Phase Formation of Some Austenitic Stainless Steels by Ion-Nitriding. 3) Nitriding of Stainless Steel Using High Power YAG Laser. 4.S相に関する国内および国際セミナー (SS2000) International Current Status Seminar(Thermochemical Surface Engineering of Stainless Steel) を2000年11月5-8日、関西大学100周年記念館において開催。このセミナーには25件(国内9件,国外24件)の発表と、61名(国内47名、国外14名)の参加者があった。また、国内セミナーは、1999年9月24日、関西大学において「S相も基礎と応用」をテーマで開催。講演数4件、参加者70名であった。
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