研究分担者 |
志水 勝好 筑波大学, 農林学系, 講師 (40261771)
林 久喜 筑波大学, 農林学系, 講師 (70251022)
弦間 洋 筑波大学, 農林学系, 助教授 (70094406)
福田 直也 筑波大学, 農林学系, 助手 (80251023)
加藤 盛夫 筑波大学, 農林学系, 助手 (90204502)
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研究概要 |
タイの異なる気象条件下で実施されている各種作付体系の特徴を明らかにし,栽培地域の環境条件から見た作物の栽培方法を生理生態学的に検討する目的で研究を実施した。チェンマイ、コンケン、バンヤイ、カンペンセン、ラヨーンおよびハート、ヤイの各地域からマンゴ、リュウガン、ランブータン、ライム、ドリアンなど熱帯を代表する果樹の単作圃場および混作圃場を抽出し、気温および湿度の小型データロガーを圃場内および裸地に設置して微気象要素を継続測定すると共に、乾季および雨季における果樹個葉の光合成特性を測定した。 露地と耕地内との気温較差は,最低気温は露地気温にかかわらず耕地内外で同程度であったが,平均気温および最高気温は露地に比べ耕地内で低かった.一方,湿度較差は,最低湿度、平均湿度、最高湿度とも概して露地に比べ耕地内で高かった.耕地内の微気象は,露地と比較して,平均気温,最高気温は低く,湿度は概して高く維持されていること,圃場により露地の気象条件と耕地内の微気象との関係が異なっていることが明らかになった. 個葉光合成における飽和光強度は乾季は800〜1000、雨季は800〜1400μmolm^<-2>s^<-1>で雨季の方が飽和光強度が高かった。個葉光合成速度の平均値は測定時期にかかわらず葉の着生方向および着生位置との間に特定の関係は認められなかった。飽和光下における光合成速度は乾季は3.5〜10.1、雨季は5.5〜17.8μmolCO_2m^<-2>s^<-1>の範囲にあり、樹種によって異なってはいたが、ランブータンを除き、いずれの樹種も乾季より雨季で高い値を示した。.また、測定時期にかかわらず、いずれの樹種においても光合成速度は気孔コンダクタンスとの間に高い相関が見られ、季節にかかわらず熱帯果樹におけるみかけの光合成速度は気孔開度に影響する湿度条件が大きな制限因子であることが明らかとなった.
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