研究概要 |
Australian Tree Seed Centerから入手したユーカリ(Eucalyptus camaldulensis)10系統の幼植物を、アルミニウム濃度(0,5,10μM)とpH(4.0,4.5,5.0)を変化させた水耕液で栽培し、各系統のアルミニウム耐性、低pH耐性について比較、検討した。また、岐阜大学では宮城県の川渡から採取した酸性黒ボク土、タイのカセサート大学ではバンコク郊外から採取した硫酸酸性土壌を用い、炭酸カルシウムと燐酸ナトリウムを添加して、同系統の種子を土耕栽培し、酸性土壌耐性を比較し、以下の結果を得た。 1.A10μMの生育に比較して、A15μMではBOKM NWの生育が悪く、MOREHEADやWROTHHAMの生育が良かった。A110μMではすべての系統の生育が悪く、Al耐性を比較することができなかった。pH5.0の生育に比較して、pH4.0と4.5の場合にはすべての系統で生育が低下し、その低下傾向はA15μMの傾向と類似していた。 2.酸性黒ボク土の場合、土壌pHや土壌中の交換性A1濃度の上昇により生育が低下した。相対生育量と土壌中の交換性A1濃度との関係より、WORTHHAMはBOKM NWよりも酸性土壌耐性が強いと考えられた。 3.硫酸酸性土壌の場合、発芽率がきわめて強く、使用種子の発芽傾向や生育反応を比較することができなかった。その原因は土壌酸性だけでなく、土壌の物理性(通気性、保水性など)にも問題があると考えられた。
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