研究概要 |
Australian Tree Seed Centerより入手したEucalyptus camaldulensis,E.barassiana,E.tereticornisの14系統の幼植物をpH4.0ならびにAl5μMで水耕栽培し、根伸長を対象区(pH5.0,Al0μM)と比較した。また、川渡黒ぼく土壌(pH4.6)に適当量のCaCO_3およびNaH_2PO_4を添加し、水耕試験で選抜した5系統を栽培し、その初期成育を比較した。得られた結果は以下のようにまとめられる。 1.水耕試験の結果、E.camaldulensisの低pH耐性種は、W of Irvinbank、低pH感受性種はElliotであった。他の2品種については、East of Kupiano、Bagama Airportがそれぞれ、低pH耐性、感受性であった。E.camaldulensisのAl耐性種は、Morehead River、Al感受性種はBokm NW Northhamptonであった。他の2系統については、S Helenvale、Bagam Airportがそれぞれ、Al耐性、感受性であった。 2.植物体地上部のAl含有率は、Al耐性順位が低くなるにしたがいわずかに増加した。根のAl含有率は、一番Al耐性の低い1系統を除き、Al耐性順位が低くなるにしたがい明らかに増加した。 3.土耕試験では、播種3週間後に系統間に生育差が生じ、土壌pHが低い処理区、土壌の交換性Al含有率の高い処理区および最高生育区を比較した場合、系統間の生育傾向は水耕栽培の低pHやAl耐性の順位に類似していた。 これらの結果より、水耕栽培法を利用し、低pH条件下でAl吸収量の少ない系統の選抜を続けることにより、酸性土壌耐性のEucalyptus系統を獲得できると考えられた。
|