研究課題/領域番号 |
10045063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
中井 弘和 静岡大学, 農学部, 教授 (20026610)
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研究分担者 |
渡邊 修治 静岡大学, 農学部, 教授 (90230979)
高木 敏彦 静岡大学, 農学部, 教授 (40026612)
小嶋 睦雄 静岡大学, 農学部, 教授 (50022273)
向井 譲 静岡大学, 農学部, 助教授 (80283349)
横田 博実 静岡大学, 農学部, 教授 (50115458)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 照葉樹林 / 茶 / カンキツ / 持続型農業 / 食品機能 / 自然農法 / 国際交流 |
研究概要 |
本課題の共同研究は、照葉樹林作物の典型である茶と柑橘を最も重要な農産物として有する中国・浙江省と日本・静岡県にそれぞれ位置する浙江大学と静岡大学が共同して、当該作物(茶、柑橘)の持続的生産の可能性、遺伝資源の探索、食品機能の増進・開発、流通構造の解析等を目指して行おうとするものである。本課題は茶と柑橘を中心に取り上げるものであるが、照葉樹林文化の1つの根幹をなす森林育成や稲作についても必然的に考察を加えることとなり、森林や稲に関わる研究者も参加することになった。 当共同研究を通して現時点で得られた主な成果は次のとおりである。(1)水稲の育種事業とその栽培普及の実態が明らかとなり、両大学の保有する有望形質を持つ遺伝資源の交換が可能となった。(2)茶については、中国茶の品種分類、機能性成分が明らかとなり、茶機能成分の商品開発が進められた。また、両国品種の栄養特性について比較研究し、その違いが明らかになった。(3)柑橘については、各種環境(寒さ、酸性雨)耐性に関する品種間差異、気候要因(温度、水)による果実品質への影響が明らかとなった。(4)中国における植林事業や農産物の物流の実態調査を踏まえ、森林施行管理や流域環境管理の計画、ならびに流通機構の改善の必要性が明らかとなった。 これらの研究成果に加えて、各地農業の視察・調査によって、中国における環境問題の深刻化、それに伴う環境保全意識の浸透ならびに持続型農業への取り組みの高揚を見ることができた。同時に、21世紀における農業形態として低投入持続型農業の体系化が何よりも必要であることが両国研究者間で認められ、それが今後の共同研究の最重要課題になることが確認された。
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