研究課題
国際学術研究
近年は農業や水産業においても環境と調和した安全な生産が求められているが、それと同時に生産生物の高品質化と有効利用のための研究が重要となってきている。平成10年から大学間国際学術研究協力を行っているマレーシア半島北部における生物生産では、台地や海浜を含めた生産環境の解析と環境機能の向上、作物の多様な適応性の解明や海域、淡水域の水産植物資源の有効利用、環境に調和した総合的な作物保護と有害生物の制御、生物生産の流通情報解析等の研究への必要性が緊急の問題となってきている。平成10年8月には佐賀大学より2人の研究分担者がマレーシア国ペナン市に派遣し、マレーシア国北部における生物生産の現状について実態調査や試料収集を実施し、次のような研究成果を得た。1. マレーシア北部の植物生産における雑草の被害診断とそれらに罹病する病原性微生物の収集を行い、その特徴を明らかにした。2. マレーシア北部に導入可能な生物生産、流通のシステムについて考察し、日本とマレーシアの地域農業の生産、流通と政策の比較を行い、その問題点を明らかにした。平成10年11月及び12月にはマレーシア科学大学より3人の研究分担者を招聘して、佐賀大学農学部及び海浜台地生物生産研究センターの研究者の協力を得て、日本の海浜台地地域の環境調和型生物生産システムの現状を学び、次のような研究を行った。3. 海浜台地地域における植物病原菌の雑草への罹病性の実態調査を行い、病原菌の同定、病害診断等を行った。4. 台地、平野部、淡水域、海浜等の多様な環境において生産される水生植物の試料を採集し、その生理生態と利用について検討を行った。5. 唐津地域の海浜、海洋の生物について、有用成分の解析、利用法の検討を行った。
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