研究課題/領域番号 |
10045070
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
宮西 照夫 和歌山大学, 保険管理センター, 助教授 (60094679)
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研究分担者 |
VILLATORO El サンカルロス大学, unesco伝統医学機関, 代表
FRANCISCO Mi サンカルロス大学, 西部校, 校長
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キーワード | グアテマラ共和国 / 先住民 / 文化毛号症候群 / ススト / 女性 / ストレス / SDS / 伝統治療 |
研究概要 |
1998年8月20から9月15日にかけて、グアテマラ共和国、モモステナンゴ県チュクルフユップ村、及びチマルテナンゴ県コマラバ村を調査地とし、文化結合症候群スストに関する実態調査を行った。両村において28名の呪医にインタビューし、スストは女性や子供にに多く、週に2〜3名のススト患者を治療し,増加傾向にあること、その中に身体疾患や分裂病などの精神疾患が含まれることが分かった。また、呪医によるススト患者8名の治療儀礼を観察記録した。後村において、村の健康改善委員の協力を得て17歳から67歳の女性40名を対象にススト体験に関する聞き取り調査を行い、37名から回答を得た。その結果、ススト体験者群は21名(57%)、平均年齢30歳、20歳以下での体験者は67%と多く、結婚状況(未婚14%、既婚71%、死・離別14%)、修学年数(平均2年)、SDS(平均値35)などは、非体験者群と顕著な差はなかった。体験者群にエバンヘリコが、またマヤ語だけを話すと答えた人が多かった。 呪医はスストの原因を、超自然界の存在により魂を奪われた結果とした。一方村人は、川におっこちたり、転ぶといった偶発的な小事故を原因と従来考えていたが、今回は交通事故など近代的事物の他、内戦といった特殊な外傷体験がかなりの部分を占めるようになっていた。ススト体験者の内2名に心気症者を認めたが、その他に精神障害や人格の偏りを認めず、やや伝統文化志向型の女性が多いと思われた。二村では、女性の社会活動への参加や自己主張が制限されており、女性の地位は低く、こういった状況から派生する慢性ストレスがスストを生じ、さらに近年の急激な文化変容に対する不適応や内戦時の精神外傷体験がスストの増加をもたらしていると考えられた。しかし呪医の伝統治療は現在も有効で、苦悩から解放し共同体に復帰させるリカバリー・システムを作動させていた。
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