研究分担者 |
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60264876)
森 一郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (10157852)
桜井 武雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00073700)
中村 靖司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60275352)
中村 美砂 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70285386)
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研究概要 |
日本よりも,発生頻度の低い中国での乳癌症例を収集し,その組織学的特色について比較した.また,その診断基準についても比較検討した.その結果,浸潤癌と非浸潤癌、導管癌と特殊型,小葉癌の判定などに差があり,両国の比較をするためには統一診断基準が必要と考えられた.引き続き山東医大より研究者を受け入れて,共同研究を進めていく予定である. 日中両国での乳癌研究の成果については,発表論文に示すごとくである.乳癌腫瘍組織を用いた,免疫組織化学的検討と分子遺伝学的研究により,以下の点について明らかにした.1.エストロゲン受容体の発現は,免疫組織化学的に142例中61例に陽性であり,生化学的方法とよく一致した.陽性例では,癌の導管内進展の型と相関を示した.2.カルシトニン受容体の遺伝子多型を発見し、これと日本人の乳癌の組織型との関連について解析した.相関は認められなかった.3.乳癌予後因子として知られているPSAのプロモーター領域に遺伝子多型を認めた.PSA mRNAの発現と相関を示した。4.Bcl-2の発現と抗がん剤感受性結果を比較し,Bcl-2陽性例では,陰性より感受性が有意に高いことを示した.5.アンドロゲン受容体の発現を検討し,14.1%陰性であることを示した.これらには点突然変異はなく高頻度(11/17,65%)に活性型alleleの欠損を認めた.
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