研究課題/領域番号 |
10045075
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山岡 和枝 帝京大学, 法学部, 助教授 (50091038)
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研究分担者 |
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
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キーワード | Evidence Based Medicine / スクリーニング / 健康診断 / 職域健診 / 肝機能検査 / 尿糖検査 / 鋭敏度 / 特異度 |
研究概要 |
近年欧米では、Evidence Based Medicine(EBM)の考え方に立ち、臨床医療のみならず予防活動についても、科学的根拠の評価が行われ、それに基づく勧告が行われている。その結果、わが国では職域健診で義務となっている検査のいくつかが、実施すべき根拠が乏しいと判定されている。欧米の結果をそのままわが国に適用できるとは限らないが、医療資源の限界等を考えると、健診項目の有用性の評価とそれに基づく予防活動の改善が早急に必要である。そういう目的で国際的な共同研究体制を作り、欧米の経験の報告を受けると共に、わが国で独自に調査と研究を行った。まず、英国のKhawは予防医学の基本的な進め方をハイリスクアプローチと集団アプローチにわけ、スクリーニングでは前者に目が向きがちであるが、後者の重要性を強調した。米国のChristianiは米国やカナダにおける健診評価の基本的な考え方や評価基準について、概念的な整理を行い、実施上の問題点をまとめた。これを受けて矢野は、脂肪肝に対する超音波検査など確定診断検査を全員一律に行った事業所の約4千件のデータを用い、定期健診の肝機能検査項目が、目的疾患を検出する鋭敏度が低いことを示した。また、尿糖検査の糖尿病患者発見についての鋭敏度、特異度を、人間ドックデータを用いて調べ、実際の検査の場では、十分な鋭敏度が得られる検査条件が守られているのはむしろ少数であることが明らかになった。Batesは新たに保健医療活動のEvidenceを日常的に作り出すことが必要であるという立場に立って、そのための医療情報システムの構築について報告した。山岡は集団アプローチと経時的なデータ処理により現行の健診情報を有効利用する方法を開発し試行した結果を報告した。最後にBrainが全体をまとめ今後の研究や予防活動の方向について報告した。これらの内容は本研究の報告書とは別に、3冊の単行本に中にまとめられ、また、学会発表や学術論文として報告の予定である。
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