研究課題/領域番号 |
10045076
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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研究分担者 |
一守 康史 東海大学, 医学部, 講師 (60184636)
石田 英之 東海大学, 医学部, 講師 (20222424)
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キーワード | 一酸化窒素 / NO合成酵素 / テトラバイオプテリン / アルギニン / ヘム鉄 / NADPH |
研究概要 |
12年度の目的であった酵素反応中に生じたニトロシルヘム化合物による自己抑制については、 NOS1:生成されたNOによりOxygenase Domainのヘムが2価のニトロシルヘムとなって抑制された。また抑制度は強く、酵素の通常動作時には90%以上のNOS活性が抑制されていた。 NOS2:NOにより3価のニトロシルヘムとなって抑制がかかった。発生したNOが消去されない場合はNOS1と同程度の抑制がかかるが、溶液中のNO濃度が低い場合には抑制がかからなかった。 NOS3:通常ニトロシルヘムを形成せず、抑制はかからなかった。 さらに、生理的条件下におけるNOSのcoupling度とFull Uncoupling状態であるときに発生される活性酸素種について検討した。 1.3種のNOSがコファクターのBH_4および基質のアルギニン飽和すなわちフル活性状態のときのNADPH酸化活性とそれに対応するNO生成速度を比較した。理論上1.5モルのNADPHから1モルのNOが生成する事を考慮し、その補正を行った。NOS1,2ではフル活性時にはNADPHから受け取った電子の90%以上をNO生成に使用しているが、NOS3ではトータルの活性が低いもののフル活性時にも半分程度の電子しか使用しておらず、残りはUncoupling反応を起こしていた。 2.発生する活性酸素の比率は、NOS1とNOS3は主にスーパーオキサイドを、NOS2ではH_2O_2を発生することが分かった。
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