研究概要 |
1]機能性製剤素材 キトサン分子量制御,分子量分布制御,脱アセチル化度の制御等について検討を行い,放出制御型錠剤への応用に成功した. [2]機能性微粒子製剤の調製 1)キトサン(CH)マイクロスフィアー調製,2)微粒子コーティング用CH水系分散剤については検討を継続中である.3)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を利用した温度感受性放出制御製剤として,HPCをエチルセルロースでサンドイッチ化した膜構造を有するマイクロカプセル(MC)を調製した.4)液滴融合法において,エマルションの連続相を流動パラフィンに変えるだけで最大13%のガドリニウムを強固に保持した粒子径450nmのCHナノ粒子の調製に成功した.このCHナノ粒子を用いて放射線耐性メラノーマ担持マウスで中性子捕捉療法を行ったところ,著しい腫瘍成長抑制効果を示した.5)高分子ラテックスを用いた10-50μm微細流動層造粒について検討し,最適な操作条件,装置設定を明らかにした.6)高速楕円ロータ型乾式複合化法,7)コーティング法によるReady-made型ジクロフェナック経口徐放性懸濁剤については検討を継続中である.後者と関係して別途溶融混合-冷却法によるワックス粒子の製法を確立した. [3]製剤特性のキャラクタリゼーション1)水素添加卵黄レシチン(HE-LC)を主膜剤としたMCの2次粒手生成装置としての可能性,2)N-isopropylacrylamideを表面グラフト化したラテックスを用いて設計・調製したMCの温度逆応答性薬物放出機構については検討を継続中である.3)大豆油,HE-LC,各種界面活性剤を成分とし,Gd-DTPA-SAを油滴界面に保持した平均粒子径60-90nm,Gd含量3または6mgGd/mlのエマルションの実験動物を用いた体内動態試験を行い,界面活性剤としてHCO60を用いることにより,腫瘍内濃度を107ppmに達っせしめた.4)ジクロフェナツク含有経口徐放性・用時懸濁型製剤の動物を用いた吸収実験については予備実験を継続中である.
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