今年度の研究課題として、これまでの研究成果のまとめ、当システムのさらなる内容の充実をはかること、そして当システムを利用した具体的な研究成果をだすことの3点をかかげた。まずこれまでの研究成果のまとめとして、当システムの具体的な使用方法をマニュアル化した。それは、1.実測図の取り込みと保存、2.1ドット当たり情報量(K)の補正、3.体積計算、4.容積換算システムなどについて、その手続きを画像によってまとめ、全く知識のない人でも簡単に使えるようにした。 今年度の大きな成果は、「関数による体積と器高のシミュレーション」によって、容積算出の自動化がはかられたことである。昨年度までの研究によって、計算上得られた数値は数多くあった。こうした多くの数値をいかに利用するかとの観点から、容器の高さと体積の関係を簡単な関数として表すことを考えた。つまり考古学の研究上、必要な任意の高さの体積を瞬時に示そうというわけである。研究の結果、かなり高次の多項式、7次ないし8次の多項式とするのが妥当であることがわかったのでプログラムに加えた。 過去3年間で作り上げたものを ‘FNCT-VCALSystem-M1.0'、そして今回の「関数による体積と器高のシミュレーション」を加えたものを‘FNCT-VCALSystem-M2.0'と呼ぶことにした。
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