研究概要 |
本研究は,まず(1)日本語教育用辞書の「用例の適切性」について理論的なモデルを構築した。学習者側と教育側では,例に適切性の基準が大きくなるので,個々の学習者をモデル化するために学習者属性を定義し,個々の教師をモデル化するために教師属性を定義した。さらに,個々の用例が持つ特徴をモデル化するために,用例属性を定義した。 次に,(2)既有の日本語教育用辞書の用例6,427個から「用例の特徴を数量的に解析した結果,平均10.1単語,平均文字数19.7文字,ひらがなと漢字で全体の約90%を占めるなどの結果が得られた。そして,こC特徴に基づいて(3)既存電子化テキストから適切な「用例を抽出」 しこれを増補の候補とした。既有の日本語教育用辞書に用例が付いていない単語すべてに用例を増補することができた。 最後に,(4)学習者と教師にとって適切な「用例を検索」するアプリケーションプログラムを開発した。開発したアプリケーションプログラム「CASTEL/J・用例サーチエンジン」は,WWW(World Wide Web)上での利用を実現するため,HTML(Hyper Text Markup Language)とCGI(Common Gateway Interface)を用いて開発した。CGIのプログラミングはPerlで記述した。現在「CASTEL/J・用例サーチエンジン」は,HTMLサーバ(OSはLinux)上に,CASTEL/Jの各種データベースと共に実装している。 したがって,ローカルネットワーク(所内LAN)上のWWWブラウザで利用することができる。
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