本研究のテーマは、「現代中国法の歴史的連続と不連続」であるが、現代中国刑事法を中心に研究を進めて来た。まず、研究の視点として、「封建中国法」、「民国期中国法」、「近代市民法」という三つ概念を立てて、その相互関連の中で現代中国法の性格及びその将来を分析した。その結論として、現代中国法は、制度レベルとして、「民国期中国法」と同じく、「封建中国法」に対する否定であって、より「近代市民法」的なものとなっており、この方向性が今後も増大する、という結果に至っている。次に、法の評価は、制度としてのみならず、結果レベルでも見る必要があるとして、「制度としての法」と「結果としての法」という二つの概念を作って、「結果としての法」から見れば、「現代中国法」は「近代市民法」から問題視されるところがまだ多いことを示唆した。最後に、「現代中国法」の将来は、文化建設などの結果重視的方策にかかっていると結論づけた
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