この研究は、過去2ヶ年に亘って、わが国の資本ストック、国富の推計に関して、積み重ねてきた研究の最終年度にあたるものである。我が国の国富調査は1970年の調査を最後に実施されておらず今後も本格的調査の実施は困難であるとされている。しかし一方で、一国の国富の把握、資産の推計に関する要請は高まっており、現在実施されている各種の統計を総合的に用いて、分散型の推計に頼らざるをえなくなっている。 本研究では産業別資産ストックの推計に関して、SNA、産業連関表等の統計と整合的なかたちで、時柔列のフロー及びストックマトリックスの推計を時柔列で試み、将来の国富推計の設計を試みてみた。各種統計間の斉合性を概念・定義の長制を含めておこなっても、依然として困難な部分が多く、この研究の成果を活して、今後の国富推計への足がかりをえることができた。
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