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1998 年度 実績報告書

南アジアの経済発展における計画と市場

研究課題

研究課題/領域番号 10116102
研究機関東京大学

研究代表者

中里 成章  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30114581)

研究分担者 藤田 幸一  京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (80272441)
大野 昭彦  大阪市立大学, 経済学部, 助教授 (20176960)
金子 勝  法政大学, 経済学部, 教授 (20134637)
原 洋之介  東京大学, 東洋文化研究所・所長, 教授 (60012986)
絵所 秀紀  法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
キーワード南アジア / インド / 東南アジア / 農業 / 経済自由化 / 開発国家論 / 女性 / グローバル化
研究概要

今年度本研究班は4回研究会を開き、論点を整理するとともに、南アジア経済の現状をフォローする作業を行なった。研究会の概要は次の通りである。
第1回:1998年6月13日
黒崎卓「インド、パキスタンの長期農業成長と作物構成変化:c.1900-1995」
第2回:1998年7月4日
金子勝・佐藤宏「インド経済改革の政治経済学」(コメンテーター:絵所秀紀・原洋之介)
第3回:1998年11月14日
藤田幸一「インドの経済自由化と農業」
石上悦朗「インドのパブリック・セクターおよび産業政策と経済改革」
第4回:1999年1月30日
宇佐美好文「インド農村における女性の就業構造」
佐藤隆広「グローバル化の政治経済学--経済改革下のインドを事例として-」
1年間の討論のなかから浮かび上がってきた論点のうち、重要なものを2、3挙げると次のようになる。
(1) インドの経済自由化は、1960年代半ばの経済危機以降、何回か行なわれている。1991年の自由化をこの流れの中に位置づける必要がある。また実施時期によって自由化の中味が変わる。自由化の定義を明らかにしてから議論に入らなければならない。
(2〉 インド経済自由化の一定の成功が偶然によるものか、政策によるものか、必ずしも明らかでない。これと関連して、経済自由化によってインドの産業構造にどのような変化がどの程度起こったのか、という点についても分析を進めなければならない。
(3) 農業部門は基本的に経済自由化政策の枠外に置かれながらも、順調な成長を遂げてきた。しかしこれまでに累積された問題は深刻であり、経済自由化政策を頓挫させる可能性さえ秘めている。
(4) 東アジアや東南アジアでは、昨年来の経済危機が続くなかで、「開発国家論の終わり」ととらえてもよいような状況が生まれている。東アジア・東南アジアの経験を南アジアの現在の分析にどうつないでいくべきか、議論を深める必要がある。
なお研究会の運営の上では、博士課程レベルの若手研究者の組織化に力を注ぎ、一定の成果をおさめた。

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] Nariaki Nakazato: "‘The Origins of Development Planning in India'" Fumiko Oshikawa,ed.South Asia under the Economic Reforms JCAS Symposium Series No.6.Japan Center Area Studies,Osaka. (in press). (1999)

  • [文献書誌] 絵所秀紀: "「開発研究」の開拓者としてのアマルティア・セン" 経済セミナー. 527. 48-50 (1998)

  • [文献書誌] Hideki,Esho: "‘Indias Economic Reform and Japanese Response" Journal of International Economic Studies. 13. 39-58 (1999)

  • [文献書誌] 絵所秀紀: "インド経済の行方" 国際問題. 1999年 4月号. 2-12 (1999)

  • [文献書誌] 絵所秀紀: "インドの金融改革と資本自由化" 南アジアの構造変動とネットワーク成果報告書. 2. 33-65 (1999)

  • [文献書誌] 金子勝・佐藤宏: "自由化の政治経済学(I)(II)-インド国民会議派政権期(1980-96年)における政治と経済-" アジア経済. 39-3,4. (2-30) 47-81 (1998)

  • [文献書誌] 大野昭彦: "インド-巨像は立ち上がるのか-" 原洋之介編『アジア経済論』NTT出版. 381-415 (1999)

  • [文献書誌] 藤田幸一: "バングラデシュ" 原洋之介編『アジア経済論』NTT出版. 422-499 (1999)

  • [文献書誌] 黒崎卓・澤田康幸: "途上国農村における家計の消費安定化-パキスタンの事例を中心に-" 経済研究. 52-2(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] 黒崎卓: "農業と家計-個票データによる農村経済の総合分析-" アジ研ワールドトレンド. 1998年11月号. 17-20 (1998)

  • [文献書誌] 原洋之介: "グローバリズムの終宴" NTT出版, 155 (1999)

  • [文献書誌] 原洋之介: "エリア・エコノミックス" NTT出版, 255 (1999)

  • [文献書誌] 金子勝: "反経済学-市場主義的リベフリズの限界-" 新書館, 325 (1999)

  • [文献書誌] Takashi Kurosaki: "Risk and Household Behavior in Pakistan's Agriculture" Institute of Developing Economies (IDE Occasional Papers SereisNo34), x+165 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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