研究課題/領域番号 |
10116103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳澤 悠 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20046121)
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研究分担者 |
脇村 孝平 大阪市立大学, 経済学部, 教授 (30230931)
篠田 隆 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20187371)
応地 利明 京都大学, アジアアフリカ地域研究研究科, 教授 (60024212)
中村 尚司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50172424)
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
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キーワード | 南アジア / 環境 / 人口変動 / 農業 / 牧畜 / 疾病 / 開発 |
研究概要 |
1.インド・グジャラート州における家畜関係統計の収集、インドとパキスタンにおける牧草地についての村落訪問調査、カラチにおける都市環境と住民運動の調査、デリーでの政府人口統計収集など、海外現地調査を行ないデータを収集した。これらのデータや、マイクロフィルム・データのパソコンヘの入力と分析を行なった。 2.外国人二人の報告を含めて、計4回の研究会を開催して、分析結果の検討を行なった。 3.これらの分析と研究会とによって、以下の検討が行なわれ、新たな知見がえられた。 (1)植民地期インドの農業商業化による生態環境の悪化の過程が考察された。また、近年、生態環境に調和的な土地利用=耕作システムが変容し、降水の減少、溜池灌漑地の減少、天水耕地化傾向が見られること。agro-forestryの影響も検討された。 (2)南インドの村落共有地が土地なし階層によって農地に転換されたが、その一部で、果樹園・大学用地・宅地などの形で開発が進んでいる近年の変化が考察された。 (3)マラリヤに対して住民はそこでの居住を避けるなどの文化的適応をするとともに、マラリヤ抵抗遺伝子を所有する住民が存在(生物学的適応)しており、その分析の進展状況が考察された。 (4)死亡(mortality)と罹患(morbidity)とは区別すべきこと。開発には、人びとの活動の活発化という面もあり、生活水準向上の効果とアクティヴィティ増大の効果(たとえば新しい疾病環境への移住によるexposure)とを区別することによって新たな側面の解明がなされうる。 (5)長期の環境変動を科学的に計測するために、衛星写真データの分析の方法が検討された。
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