研究課題/領域番号 |
10117209
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
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研究分担者 |
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
安野 志津子 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (30022586)
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キーワード | 太陽中性子 / 粒子加速 / グローバル観測体制 / 中性子ビーム / ビームダンプ実験 / 大阪大学核物理研究センター / チベット太陽中性子望遠鏡 / 1998年11月28日 |
研究概要 |
太陽中性子の大気中での減衰を求めるモンテカルロ計算が正しいか否かを検証するため、大阪大学核物理研究センターの100MeV-400MeVの中性子ビームを炭素標的に照射し、ビームダンプ実験で、シミュレーションの正否を調べた。その結果、計算が実験結果を非常に良く再現できることを確認した。また、太陽フレアを1日24時間観測するためのグローバルな太陽中性子検出器ネットワークの中性子検出効率を同時に測定した。加速器実験の結果については現在論文としてまとめているところである。 一方、太陽活動は1998年に入ると活発になり、1998年11月28日には東大宇宙線研究所の経費でチベットに9月に設置された太陽中性子望遠鏡により、4.5シグマの統計的有意性で太陽フレアに同期した中性子計数率の増加が検出された。全方向からの中性子数には統計的に有意な増加は見られなかったが、太陽方向からの中性子数を調べて初めて有意な信号が見られており、太陽中性子を捉えている可能性が高い。1999年2月には、この太陽フレアの全貌を理解すべく太陽地球環境研究所の貝等旅費で研究会を実施し、「ようこう」のX線・γ線のデータ、野辺山電波ヘリオグラフのデータ、磁場のデータ等との比較を行い総括的な議論を行った。 これまで本特定領域研究の経費を用いて、経度の異なる場所に太陽中性子検出器を設置してグルーバルな観測体制を実現し、検出器の中性子検出効率と中性子の大気中での減衰率を加速器を用いて測定してきた。チベットで観測された太陽中性子イベントは、グローバルな観測体制の重要性を実証した。今後さらに活発になる太陽活動により、太陽粒子加速機構の総括的研究が急速に発展することが期待される。
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