研究概要 |
これ迄の研究によって確立したシクロへキサジエノンおよびシクロヘキセノン等価キラル合成素子の機能性を反映させる生理活性天然物の合成を検討した. まず,シクロへキサジエノン素子へのエノン部β位への4級中心の構築法を検討し,水酸基ならびにアルキル,アルケニルおよびアリール基の導入を含む導入手法を確立した.これにより,メバロン酸ラクトンの新合成,香気モノテルペンmintlactoneおよびisomintlactone,ノルモルヒナン型アルカロイドaphanorphineの新合成,茶寄生菌産生植物毒(+-PT-toxinの合成と絶対配置の決定,レンギョウの有効成分rengyol,rengyoxide,isorengyol,clerolndicinA,(-)-clerolndicinC,(-)-cleroindicinE,(-)-isocleroindicinE,および魚忌避物質(+)-sporochnolAの最初の合成と絶対配置の決定を行なった. ついで,シクロヘキセノン等価キラル合成素子の活用をはかり,ピロリチジアルカロイド(-)-isoretronecanolおよび(+)-trachelanthamidineのジアステレオ二元的なエナンチオ制御合成,フェノール性ビサボランセステルペン(+)-curcudiolの最初のエナンチオ制御合成の達成,さらに,植物および菌産生の芳香族天然物の生合成前駆体(-)-quinic acidおよび(-)-shikimic acidの効率的合成法を確立した.
|