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1998 年度 実績報告書

色素-高分子ハイブリッド組織体の構築とそのホールバーニング分光

研究課題

研究課題/領域番号 10126211
研究機関東京大学

研究代表者

堀江 一之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10013690)

研究分担者 城田 秀明  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00292780)
町田 真二郎  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20262032)
キーワード三次元ナノ組織体 / 光ホールバーニング / デンドリマー / 世代数 / 構造緩和 / 色素-媒質相互作用
研究概要

機能性有機色素を構造の制御された高分子が取り巻いた三次元ハイブリッド組織体は、生体機能物質のモデル系として大変興味深い。本研究では、それらの一つであるデンドリマーポルフィリン系において、色素-媒質間の相互作用を敏感に観測する手段である光ホールバーニング(PHB)測定を用い、以下のことを明らかにした。
デンドリマーとは、コアから外側に向けて規則正しい枝分かれをもつ高分子である。コアにポルフィリンをもつ第3世代(L4PH_2)および第4世代(L5PH_2)のデンドリマーを合成し、PHB測定を行った。デンドリマーのみからなる試料では、L4PH_2よりもL5PH_2,の方が高いホールの温度安定性を示した。これは、L5PH_2の方が、より高密度のデンドリマー骨格をもち熱運動が起こりにくいためと解釈した。溶媒としてテトラヒドロフランを含む試料では、L4PH_2では溶媒無しの場合に比べてホールの温度安定性が低下したのに対し、L5PH_2では差が見られなかった。このことは、デンドリマー内でポルフィリン近傍に存在する溶媒の量が、L5PH_2において少ないためと思われる。ポリメタクリル酸エチル中にL4PH_2を分散した試料では、エチル基の回転緩和が起こっている温度でも、L4PH_2のみの試料と同じホールの温度安定性を示した。従って、半径約2.5nm以上離れた部位での構造緩和がポルフィリンの環境に及ぼす影響がほとんど無いことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] H.Kimura,S.Machida,K.Horie,Y.Okahata: "Effect of Lipid Molecules on Twisting Motions of DNA Helix Studied by Fluorescence Polarization Anisotropy" Polym.J.30・9. 708-712 (1998)

  • [文献書誌] T.Kino,S.Machida,T.Yamashita,K.Horie,et al.: "Microenvironments around Tetraphenylporphine Group in Unimacromolecular Micelles Probed by Photochemical Hole Burning" Macromol.Chem.Phys.199. 1631-1636 (1998)

  • [文献書誌] S.Machida,M.Morisada,K.Horie: "Presistent Spectral Hole Burning for a Free-Base Porphyrin Doped in a DNA-Lipid Complex Film" Polym.J.(印刷中).

  • [文献書誌] T.Kino,S.Machida,K.Horie,et al.: "Photochemical Hole Burning Study of Unimacromolecular Micelles with Controlled Radii Embedded in Poly(vinyl alcohol)" Macromol.Chem.Phys.(印刷中).

  • [文献書誌] 堀江一之: "高分子の光-光制御とナノ微粒子の光化学" 高分子. 47・7. 461-464 (1998)

  • [文献書誌] 堀江一之: "高分子ナノ微粒子の光化学" 表面. 36・1. 583-590 (1998)

  • [文献書誌] 堀江一之: "新高分子実験学第9巻-高分子の物性(2)" 共立出版, 480 (1998)

  • [文献書誌] K.Horie: "Functionality of Molecular Systems 2" Springer,Tokyo, 245 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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