研究課題/領域番号 |
10126230
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 博一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60127123)
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研究分担者 |
竹中 幹人 京都大学, 工学研究科, 助手 (30222102)
橋本 竹治 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026230)
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キーワード | ABCトリブロックコポリマー / ミクロ相分離 / 秩序-無秩序転移 / 電子顕微鏡 / 小角X線散乱 / 小角中性子散乱 / 秩序構造形成 / 相図 |
研究概要 |
ABC3成分トリブロックコポリマーの3相ミクロ相分離構造は、無秩序状態から1段階あるいは2段階のミクロ相分離により形成される。本研究では、特に2段階のミクロ相分離構造形成過程に注目し、電子顕微鏡観察(TEM)および小角X線(SAXS)あるいは中性子散乱法(SANS)による研究を行った。1)溶媒キャスト過程では1段階目の相分離しか起こらず製膜後の熱処理等により2段階目のミクロ相分離が起こるABCトリブロックコポリマー(i)と、溶媒キャスト過程で2段階のミクロ相分離が終了するABCトリブロックコポリマー(ii)の2つの系を研究対象とした。 2)(i)の系として、ポリスチレン(PS)、ポリイソプレン〈PI)およびポリビニルメチルエーテル(PVME)からなるトリブロックコポリマーの合成に初めて成功した。また、重水素化PSとPVMEからなるジブロックコポリマーについてSANSによる基礎研究を行い、低温で無秩序状態、高温で秩序状態をとる下限臨界秩序無秩序転移温度(LCODTT)型の相挙動を示すことを見い出し、そのFlory相互作用パラメータを評価した。 3) PS、PIおよびポリブタジエン(PB)からなるトリブロックコポリマー研究の基礎実験として、重水素化PB-PIジブロックコポリマーについて小角中性子散乱測定を行い、これがLCODTT型の相図を持つことを示すとともに、高圧下での特異な相挙動を発見した。 4)(ii)の系として、ポリ-2-ヒドロキシメタクリレート(PHEMA)、ポリ-tert-プチルメタクリレート(PTBMA)およびポリ-2-パーフルオロブチルエチルメタクリレート(PF4MA)からなるトリブロックコポリマーのミクロ相分離構造の解析を行い、構造形成のシーケンス依存性を示すと共に、ESI(Electron Spectroscopic Imaging)による無染色TEM観察法と3相構造のSAXS解析法を開発した.
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