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1998 年度 実績報告書

一次元的構造を持つ磁性体のスピン・軌道磁気モーメントの理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10130222
研究機関広島大学

研究代表者

城 健男  広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 教授 (20093487)

研究分担者 田中 新  広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助手 (70253052)
キーワード軌道磁気モーメント / スピン磁気モーメント / 超格子 / コバルト / 多重極相互作用 / パラジウム / 銅
研究概要

軌道磁気モーメントの第一原理バンド計算は、スピンのそれに比べて極めて遅れた状況にあるのが現状である。この研究では、Co原子をCu或いはPd母体中に1次元的、2次元的、3次元的に配列させた種々の人工格子を仮定して、タイトバインディング模型に基づき、原子内電子間多重極相互作用をハートレー・フォック近似で取り扱うことにより、原子環境と磁性原子の軌道磁気モーメントの大きさとの関係を理論的に調べた。
遷移金属の原子のs,p,d軌道を考慮し、スピン軌道相互作用を含む拡張ハバード模型で、原子内電子間多重極相互作用をd軌道に対して考慮し、これをハートレー・フォック近似で取り扱い、原子のスピン・軌道磁気モーメント(Mo,M_S)を計算する。原子間の飛び移り積分のパラメーターはD.Papaconstantopoulos(Handbook of the Band Structure of Elemental Solids,Plenum 1986)の値を用いる。超格子中の原子間飛び移り積分の格子定数依存性に関しては、その文献のスケール則を用いる。異なる原子間の飛び移りに関しては、それぞれの原子間の飛び移り積分の相加平均をとる。また、異なる原子間のエネルギー準位差は、それぞれの原子内のs,p,d軌道のエネルギー間隔を保ったまま、それぞれの原子全体の電気的中性を満たすように決める。
得られた結果は1)M_Sは全体を通じて原子環境による変化が少ない。2)M_0の原子環境依存性は大きく、より孤立原子に近い環境を与えるCu母体において、大きな値を持つ。3)Pd,Cu母体それぞれに対し、全体として、最近接にCo原子がいない環境においてM_0はより大きく、この傾向はCu母体においてより顕著である。4)M_0の大きさに、明かに方向依存性が存在するが、一般的な傾向を抽出しにくい。しかし、2次元層状超格子では、面に垂直方向により大きいM_0が得られる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Jo: "Orbital Magnetic Moments of CoO and FeO and Isotropie Co and Fe L2,3 Absorption Spectroscopy" Journal of the Physical Society of Japan. 67・7. 2505-2509 (1998)

  • [文献書誌] T.Jo: "Atomic Orpital Moment Sun Rule for Isotropic X-Ray Absorption Spectrum in Mere-Then-Halb Filled Valence Shells" Journal of the Physical Society of Japan. 67・10. 3617-3620 (1998)

  • [文献書誌] T.Jo: "Orbital Moment Sum rule for Isotropic X-Ray Absorption Spectrum in More-Then-Halb Filled Valence Shells" Physica. (発表予定).

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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