研究課題/領域番号 |
10131252
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 明 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (90222231)
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研究分担者 |
小川 禎一郎 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (50028156)
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キーワード | 電極界面 / フェムトケミストリー / 超高速分光 / 光熱変換現象 / 無幅射過程 / 金単結晶電極 / 電気化学 / ナノ空間エネルギー移動 |
研究概要 |
本研究では、電極界面吸着分子について数〜数100fsで起こる超高速化学現象(フェムトケミストリー)を探索・解析することを目的とした。固液界面の超高速化学現象を発熱を介して観測するという着想から、超短パルスレーザーを用いて金属単結晶電極/液体界面の過渡反射率測定を採用している。先に、申請者らは多結晶白金電極で超高速応答が電極電位や支持電解質に依存することを見出している。そこで、実験的にこの現象の追求・解明、および、吸着分子の関与する超高速相互作用の探索を試みた。当初、白金単結晶系を試料とする予定であったが、金を試料とすることが可能な実験装置系を組むのに成功したこと、金の多結晶を試料として興味深い実験結果を得たこと、金単結晶の作成・取り扱いがより容易であることから、白金に換えて金を電極材料に用いて検討し、以下の研究成果を得ている。 1. 超高速応答の電位依存測定系を装置を開発・制御用ソフトウエアを自作の上、超高速応答測定、サイクリック電位走査測定、電位ステップ測定、面内分布測定を可能とした。 2. 開発した装置により、金多結晶/過塩素酸水溶液系の定電位過渡反射率応答測定を行い、白金同様に、金電極での〜数100fsの超高速応答の電極電位依存を始めて観測するのに成功している。サイクリック電位走査測定を併用して確認を取るとともに、電位依存の原因が光励起された高温電子の緩和過程の電位依存に由来すると結論した。 3. 電位ステップ応答の実験から、酸化がはじまる電位にて特異的に信号に乱れが生じること、面内分布測定からこの時電極表面での空間的な不均一が極めて大きいことが観測された。酸化初期における島状の酸化ドメインの存が示唆された。 4. 単結晶金(111)面を作成して電流電位曲線にて面を確認した。釣り下げ方にて超高速応答の電位依存を測定を可能とする超高速分光/電気化学セルを試作し測定実施中である。
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