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1998 年度 実績報告書

ビスマス-窒素および酸素二重結合を有する高原子価有機ビスマス化合物の化学

研究課題

研究課題/領域番号 10133225
研究機関京都大学

研究代表者

俣野 善博  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40231592)

キーワードビスマスイミド / ナイトレン / 酸化 / 速度論的安定化 / X線結晶構造解析
研究概要

1. 本課題平成10年度においては、ビスマス=窒素二重結合を有する高原子価有機ビスマス化合物であるビスマスイミドの化学を中心に検討を進めてきた。
2. オルト位にメチル基もしくはメトキシ基を有するアリール基(o-トリル基、o-アニシル基、メシチル基)がビスマス=窒素二重結合を速度論的に安定化することを見いだし、これを基にN-アシルおよびN-スルホニルトリアリールビスマスイミドを空気中でも安定に取り扱える化合物として合成、単離した。いくつかの化合物についてX線結晶構造解析を行った結果、ビスマス中心は歪んだ正四面体構造を取り、ビスマスー窒素の結合距離は既知のビスマスー窒素単結合の距離に近いことが明かとなった。また、N-アシル体ではカルボニル酸素が、N-スルホニル体ではスルホニル酸素がそれぞれビスマス中心の近傍に存在することがら、酸素原子のビスマス原子への分子内配位もこの結合の化学的安定化に大きく寄与していると思われる。N-アシル体は対応するN-スルホニル体に比べて熱的に不安定であった。
3. 合成したN-アシルビスマスイミドの基本的な反応性を調べた結果、これらのイミドがホスフィンに対しN-アシルナイトレン等価体として、アルコールやチオールに対し酸化剤として振るまうことが明かとなった。例えばエタノールやイソプロパノールはN-アシルビスマスイミドにより室温でアセトアルデヒドおよびアセトンにそれぞれ酸化される。このような温和な酸化力は15族元素の中でもビスマスに特異的なものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Mizanur Rahman: "Reaction of Triphenylbismuthonium 2-Oxoalkylides with Benzils. A Novel One-pot Conversion of Symmetrical α-Diketones into O-Aroyl Enolates of Unsymmetrical β-Diketones" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1359-1360 (1998)

  • [文献書誌] Yoshihiro Matano: "A New and Efficient Method for the Preparation of Bismuthonium and Telluronium Salts Using Aryl-and Alkenylboronic Acids. First Observation of the Chirality at Bismuth..." Organometallics. 17. 4332-4334 (1998)

  • [文献書誌] M.Mizanur Rahman: "An Alternative Ring Expansion Mode of Acenaphthenequinone to Hydroxyphenalenone" Synthesis. 395-397 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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