研究課題/領域番号 |
10133240
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北村 二雄 九州大学, 工学部, 助教授 (00153122)
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研究分担者 |
谷口 裕樹 九州大学, 工学部, 助手 (50217139)
藤原 祐三 九州大学, 工学部, 教授 (10029481)
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キーワード | 超原子価ヨウ素化合物 / ベンザイン / デドロナフタレン / アルキニルヨードニウム塩 / リガンド交換 / 超原子価ヨウ素オリゴマー / 複素環化合物 |
研究概要 |
1. 超原子価ヨウ素化合物の高反応性を利用する簡便かつ広範なベンザイン発生剤の開発 超原子価ヨウ素ベンザイン発生剤として、[o-(トリメチルシリル)フェニル]ヨードニウムトリフラートを用い、複素環化合物あるベンゾトリアゾールおよびベンゾイソオキサゾリン誘導体の合成に応用した。さらに、[3-(トリメチルシリル)-2-ナフチル]ヨードニウムトリフラートを新たに合成し、2,3-セドロナフタレン発生剤として最も優れていることを見いだした。種々の合成に利用可能なアルキニルヨードニウムトリフラートの簡便合成法を開発した。本法は、最も安定なヨウ素反応剤であるジアセトキシヨードベンゼンを原料とするため取扱い・実験法が極めて簡便である。このアルキニルヨードニウム塩をシクロペンタジエンと反応させ、環状ビニルヨードニウムトリフラートが高収率で得られることも見いだした。 2. 遷移金属との類似性を利用する高効率リガンド交換反応の開発 β位にトリフィル基を有するビニルヨードニウムトリフラートはヨウ素原子上でのリガンド交換反応が効率よく進行することを利用して、チオフェン置換フェニルヨードニウムトリフラートの合成を行った。本反応は複素環化合物ヨードニウム塩の合成にも適用できることがわかった。 3. 超原子価ヨウ素原子の新規な電子効果の解明とp-フェニレン型超原子価ヨウ素ポリマーの開発 ジアセトキシヨードベンゼンをトリフルオロメタンスルホン酸中で反応させると、ジアセトキシヨードベンゼンは縮合しp-フェニレン型構造の超原子価ヨウ素オリゴマーを与えることを見出した。その平均重合度は4程度で、4量体オリゴマーの単離を行い、その構造をNMRスペクトルにより確認した。
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