研究概要 |
13〜15族同種金属インターエレメント結合を有する)化合物の効率的な合成法の開発、およびそのインターエレメント結合の本質の解明とその結合を有する化合物の反応性を究明することを目的とする研究を行った。 種々フェニルスズ化合物以外のアリールスズ(Ar_3SnX)1、フェニルゲルマニウム(Ph_3GcX)2、アリールアンチモン(Ar_2SbX)_3などの有機典型金属化合物を用いる同種インターエレメント化合物の簡便な合成法を検討した。 アルカリ(土類)金属(Wurtz coupling)や金属ヒドリドを用いない簡便な還元的ホモカップリング法としての電解反応を検討した。その結果、ヘキサトリルジスタンナン(Tol_3SnSnTol_3)4、ヘキサフェニルジゲルマン(Ph_3GeGcPh_3)5、テトラアリールジスチビン(Ar_2SbSbAr_2,N=Ph,Tol)6が、それぞれX=OAc,SArの対応する原料1,2,3を用いた時、比較的収率良く得られることが解った。 電解反応で、この種の有機金属化合物がカップリングすることは、電気化学的分析によって1960年代にすでに知られていたが、それらは電気によって促進される一種のWurtz couplingであり、そこでは水銀、カドミウムなどの陽極金属は消費された。また最近でも、マグネシウム電極、銀電極を用いるカップリング反応が報告されている。これらも同様に、一種のWurtz couplingである。これに対して、本研究は配位子Xの陽極酸化の対反応としての陰極での還元的カップリング反応と言う観点で従来の電解カップリング反応とは趣を異にするものである。
|