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1998 年度 実績報告書

ムチン型糖ペプチドの新次元精密合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10134237
研究機関(財)野口研究所

研究代表者

稲津 敏行  野口研究所, 研究部, 研究員 (70151579)

キーワード糖ペプチド / ムチン型 / グリコシル化 / 化学合成 / 固相合成 / 酵素合成
研究概要

昨年度に実施した研究を継続し、化学的手法、固相合成、酵素反応を組み合わせ、ムチン型糖ペプチドの全く新しい新次元合成戦略、を構築することを目的として研究を展開している。平成10年度は、シアル酸のないアシアロムチン型糖ペプチドの合成を行った。
具体的には、まず鍵化合物であるFmoc-Thr(Gal-GalNAc)-OHの化学合成を行った。種々のガラクトース供与体とN-アセチルガラクトサミン等価体である2-アジド糖受容体とのグリコシル化反応を検討し、最も有利に合成できるルートを明らかにすることができた。グリコシル化反応における予期せぬ副反応を解明、解決できるなど副次的な成果も挙げることができた。
水酸基の保護基を脱保護し、得られたFmoc-Thr(Gal-calNAC)-OHを対応するジメチルチオホスフィン酸混合酸無水物に導いた後、糖水酸基無保護のまま固相合成を行った。標的糖ペプチドとして、HIVプロテアーゼに対する阻害活性が報告されているヘキサペプチド(Ac-Thr-Val-Ser-Phe-Asn-Phe-OH)のスレオニン残基に二糖(Gal-GalNAc)が結合した糖ペプチドアナローグを選んだ。固相合成装置で合成した後、常法に従い樹脂より切り出し、HPLCで精製したところ、収率33%で目的とする人工人アシアロムチン型糖ペプチドの合成に成功した。構造は、アミノ酸分析、MALDI-TOF MSによって確認した。
本研究は、酵素反応によりシアル酸を導入するという次年度の課題に遅滞なく展開できるレベルに達しており、今後の展開が期待できる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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