(1) ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸に光反応性官能基を導入して光反応による架橋フィルムの作製と癒着防止材および人工細胞外マトリックスの作製、 (2)ヘパリン還元末端の脂質化とそれを用いるデバイス表面の抗血栓性化および細胞機能の制御について検討した。具体的には、 (1) 既に開発した光二量化性基(珪皮酸、クマリン、チミン)を多糖に縮合反応にて導入した光架橋性ヒアルロン酸、デルマタン硫酸の癒着防止材として最適設計した。 (2) これを人工細胞外マトリックスとして小口径血管の内腔にコーティングして抗血栓性を確保する。この際、ヘパリン混合液を用いてヘパリンを包埋・徐放するシステムを作った。 (3) ヘパリン還元末端に脂質あるいは脂肪酸を導入して末端疎水化へパリンを合成する。水可溶性、ミセル形成性等をアルキル鎖長を変えて調べ、疎水性表面(例えばポリプロピレン等)を有する人工臓器へのコーティングの可能性および水中での安定性を調べた。
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