1.これまでエポキシ接着剤を用いて、直径100nmの金微粒子を窒化シリコンカンチレバーのチップ先端への固定を試みてきたが、非常に再現性が乏しかった。これはエポキシ接着剤の粘度力塙いため接着剤の量をコントロールすることが困難だったためである。今回、接着剤として、粘度8cPの紫外線硬化接着剤を用いて固定を試みた。再現性はやや良くなったが依然として非常に低い状態である。 2.そこで全く別の方法として、光触媒を応用して金微粒子をチップ先端に作成することを試みた。まず、カンチレバー表面にチタン薄膜をスパッタにより堆積し、空気中で400℃で10分間加熱することにより、酸化し、アナターゼ型二酸化チタン薄膜を作った。このカンチレバーを塩化金酸水溶液に浸け、He-Cdレーザー光によるエバネッセント光でチップ先端のみを照明することでその部分にだけ金を還元し析出させた。この方法により、直径300〜400nnlの金微粒子がチップ先端に作製できた。 3.誘電体平面基板上に置かれた金属微粒子に平面波を入射したときの、局在散乱場を静電近似を用いて解いた。その結果、微粒子と基板との間で場が非常に強く増強されることが分かった。たとえば、BK7ガラス上に、半径の100分の1だけ離して、金微粒子が置かれている場合、波長548nnlで、場の強度は最も大きくなり、その値は入射光強度の約80倍になることが分かった。また、強度はギャップの間隔が小さくなるほど、また基板の屈折率が大きくなるほど大きくなることがわかった。
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